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物価高騰の影響に関するアンケートを実施しました

第5回フードバンクこども応援全国プロジェクトと合わせて、物価高騰が現場のフードバンク団体にどのような影響を及ぼしているか把握するために、加盟団体を対象としたアンケート調査を実施しました。


以下にアンケート調査の結果をご報告いたします。


◆アンケート実施概要


①調査目的

物価高騰が現場のフードバンク団体にどのような影響を及ぼしているか把握する


②調査時期

2023年9月


③調査対象団体

全国フードバンク推進協議会に加盟するフードバンク58団体


④回答率

60.4%(35団体)



調査結果の概要


「第5回フードバンクこども応援全国プロジェクト」に合わせて行った弊会加盟団体へのアンケート調査では、アンケートに回答した77%の団体が食料支援の要請件数が増加したと回答しました。


一方で食料寄付量が減少したと37%の団体が回答しました。(図1)




調査時期:2023年9月、調査対象団体数:58団体(弊会加盟団体)、回答団体数:35団体


(図1)食料支援要請件数と食料寄付量の変化(2023年9月)

出所:プロジェクト終了時のアンケート調査を基に弊会作成 



この傾向は前回調査(本年2月実施)と同様の傾向を示しており(図2)、依然として社会的な支援ニーズが物価高騰の影響により増加し続けている一方で、食料寄付が一部の団体で減少しているという厳しい現状が浮き彫りになりました。




調査時期2023年2月、調査対象団体数:215団体(全国のフードバンク)、回答団体数:85団体


(図2)食料支援要請件数と食料寄付量の変化(2023年2月)


出典:ソーシャルアクションアカデミー(2022)「物価高の影響も含めたフードバンク団体の最新実態」P8 



また、今回の調査において食料支援の要請件数が「増加した」と回答した団体からは、その要因として次のような回答がありました。


  • 「これまで家計を切り詰めながら生活していた世帯が、物価高により給料の支給までもたないなどの理由により依頼が増加した」

  • 「物価高騰による実質賃金の低下が大きい」

  • 「コロナウイルスの影響」

  • 「電気代等が高くなり食費に回る余裕がないとの声が多かった。」



物価高騰の影響で支援要請件数の幅の増減について調査したところ、63%の団体が広がったと回答しました。




また、要請件数の幅が広がったとされる要因としては次のような回答がありました。


  • 食品支援要請元(行政や社協、支援団体など)からの依頼が増加した

  • ひとり親家庭(シングルマザー・ファーザー)だけでなく、両親のいる世帯への支援数の増加

  • 高齢者(独居、生活困窮者など)が増加した

  • 貧困層の広がり(地元以外の地域、引きこもりなど)



4.調査結果まとめ


今回のアンケートの結果から以前よりも食料支援数が増加している反面、食料寄付数は減少している地域もあり、その要因には昨今の物価高騰が最も多く挙げられ、物価高騰が世帯を圧迫していることが浮き彫りになりました。

また、支援要請の幅が広がったという意見が多くみられ、広がったと答えた地域では一つの要因に限らず様々な要因が関係していることがわかりました。団体様からの意見から多様な困窮世帯の増加がみられ、社会的課題が多いことが読み取れます。


食料支援数が増加している背景として、団体様からの意見には、「新型コロナウイルスの影響が根強く残っている」「収入が増えない中で物価高や光熱費の値上げにより生活困窮者が増えている」という意見のほかに、「様々な活動や広報活動によりフードバンク活動が全国に認知され始めてきて支援要請数が増えた」という回答もありました。


今回の調査では、35の加盟フードバンク団体様にアンケートにご協力いただきました。ご協力いただいた皆さまに感謝申し上げます。


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