『フードバンクこども支援プロジェト』 ~加盟団体の取り組み紹介~
2016年初頭に開催されたフードドライブ(映画上映会で実施)
フードバンク岩手では、6月から『フードバンクこども支援プロジェクト』に取り組んでいます。また、6月7日から7月29日まで期間で、子どもたちの支援に必要な食品を集めるために『フードドライブ』を実施しています。
子どもが給食のない夏休みを迎えることで、各家庭で食事をする機会が増えます。そんな家庭の食費にかかる経済的な負担を減らそうと、夏休みの期間に限定して、緊急プロジェクトとして食料品の提供を呼び掛けています。フードバンク岩手は食品ロスを取り扱う団体ながら、元々は生活困窮者支援に力を注いできた団体。その団体が今、支援者のニーズにあった支援形態の一環として、『フードバンクこども支援プロジェクト』を始めています。このプロジェクトの狙いや、フードドライブ活動をより効果的なものにするための方法などを、副理事長である阿部知幸さんにお話を伺いました。 -子どもの支援プロジェクトが始まっています。フードバンク岩手では団体発足時より食品提供を常時受け付けされていますが、夏休みに限定してキャンペーンを実施する狙い、そして、このプロジェクトが市民に与える影響とはどんなものでしょうか。 「夏休みになると今まで学校から提供されていた給食が無くなり、家庭で食事をする機会が増えます。いつも以上に経済的な負担が増え、各家庭では食費の捻出に頭を悩ませることになります。 時期的に各家庭のニーズが変化すること、そこに注目して今回の支援活動を開始しました。 今は貧困問題の中でも『子どもの貧困』に焦点が当てられています。市民の中にも『子どもの貧困』に関心がある方も多い。そのような方が自分にでもできる身近な支援活動としてフードドライブキャンペーンに参加くださっています。」 -フードドライブキャンペーン活動に参加くださるのは、どのような方が多いでしょうか。 「様々な企業、個人の方が支援くださっているが、特に多いのは女性の支援者の方。 子どもを産み、育てる中で、子どもを養育する大変さを身をもって知っているからではないでしょうか。そのような方が「子どもの貧困」という問題に高い関心を持ち、食品を積極的に届けてくださっています。食品の提供を通して、女性の力強さ、温かさが感じられます。」 -女性だけでなく、男性、また、若い方などいろんな方にこのフードドライブキャンペーンに参加してもらいたいと思います。フードドライブキャンペーンを効果的に進める為のポイントを教えて下さい。 「フードドライブキャンペーンでは設置される食品回収ボックスの『数』に目が行きがちですが、同じぐらい重要視しないといけないのが『広報の力』です。 フードドライブキャンペーンを実施します、とチラシを所定の場所に置くだけではある一定の効果しか期待できません。知人に、友人に、身近な家族に、色々な人に口伝えやチラシを配るなど、「自ら積極的に伝える」広報をすることで情報は勢いをもって拡散していきます。 あるとき、病院に行ったら壁にフードバンク岩手が主催するフードドライブキャンペーンのチラシが張ってありました。 私自身はその病院に宣伝に行った記憶もない。なぜだろうと考えていたら、私が宣伝した人を介して、まったく知らない方が、好意でチラシを貼ってくださった事がわかりました。 思わぬ所に情報が届けられていて驚きましたが、やはり人から人への口伝え、これには思っている以上の力あるのだと思いました。」 支援者のニーズに寄り添うこと。支援形態を柔軟に変えていくこと。変化をいとわず、積極的に情報発信を続けるフードバンク岩手。 フードバンク岩手は事務所がある盛岡市以外の他市にも、幅広く食品回収の為の常設個所を設けています。 ここからも団体の積極的な意識を感じることができます。 「待つ支援ではなく、自ら出ていく支援へ。」 フードバンク岩手は団体発足以降、積極的に活動を拡大しています。
子ども支援プロジェクトのフライヤー